「おたまじゃくしの降る町で」八束澄子   

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八束澄子の2冊目、読み終わりました。
田舎町に過ごすビュアな中学生のお話です。

わたしのうちも親近感の持てる田舎なので
すごく入り込めて読めました。

帯には恋愛の話であるように書いてあるけれど
そこに限定しているわけではなくて
普通の中学生(とわたしが感じる)の
悩んだりへこんだりの日常を描いた話って感じです。

とくに山場もないし、この話の空気が好きじゃなかったら
まったく面白くない話かも知れません。
タイトルのおたまじゃくしもほぼ場面設定くらいしかでてきません。
(おたまじゃくしが降ったということが大ニュースになるような
 のんびりとした田舎町…という設定のためにでてきた)

それでも、小さなことにくよくよしながら、
自分らしく中学生の精一杯を尽くそうとしているところが
やっぱり好きだ!とわたしには思えました。

「わたしの好きな人」のときもそうだったけれど
中学生の頃、こんなこと考えたなーということが
かなりリアルに描かれていて、
中学生の気持ちが思い出せたことにドキドキしました。

他の人に「お薦めです!」って張り切っては言えないけれど
わたしは大好きな大切な本が一冊増えました。
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# by momo-iruka | 2010-12-31 17:33 | ヤングアダルト

「わたしの、好きな人」八束澄子   

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ずいぶん前(数年前?)に紹介された本です。
ずっと気になっていたのですが、
最近この人の本が課題図書や平積みになっているのを見て、
急に読みたくなり、アマゾンで手に入れて読みました。
 
読んで良かった~と、ため息つきながら言える本です。
なんていうのか、こういう本が読みたかったんよ、って感じです。
ストーリーも好きだけれど、
12歳のときって、こんな風に感じていたな、
という瞬間が端々にあって、
久々にお気に入りの作品が増えました。

12歳くらいのころ、自分だけこんな風に感じてるだろうな、
と思っていたようなことを、さやかも感じている、
っていうことに、なんかぴたっと来ました。
読みながら、このくらいの歳の自分の感じ方が
何度もふっと頭の中をよぎっていく感じがして、
とても気持ちよくなりました。
(なんか変な表現ですが、読後感は爽快です。)
 
12歳のさやかの杉田(36歳)への恋心がテーマなのですが、
杉田を素敵だと感じるさやかの視線もいいです。
杉田の指先やのど仏や匂いなど(しかも読書好き)、
女性がドキドキするポイントを押さえていて、
だんだん杉田が素敵に見えてくるのです。
良い恋愛ものって、
相手の男性が素敵に見えることが第一条件だとわたしは思います。
(まったくの余談ですが、
 NHKの「10年先の君に恋して」というドラマにハマっています。
 ヒーローの内野聖陽がだんだん素敵に見えてきました。
 それまでは全然好きじゃなかったのに…脚本がいいです。)
 
今日読み終えて、さっそくアマゾンでさらに2冊注文してしまいました。
お気に入りの作家が増える予感です。
蜜柑が推奨していたときに早く読めば良かったです~。
この続きも読みたい~。
  
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# by momo-iruka | 2010-09-13 00:41 | ヤングアダルト

「コンビニたそがれ堂」村山早紀   

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「たそがれ堂」という不思議なコンビニエンスストアをめぐる
連作短編集です。
 
捜し物があるときにしかたどりつけない
不思議なコンビニエンスストア。

銀髪のちょっとすてきなお兄さんのいる
どんなものでも置いている不思議なお店。
 
帯にも書いてあるけれど
その中の「あんず」は
とても切なくて素敵なお話でした。
 
児童書でするするっと読める
ふんわりした物語です。
 
ちょっと立原えりかにも雰囲気が似てるかも?
続きも読んでみてもいいかな…と思っています。
 
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# by momo-iruka | 2010-08-12 00:27 | ヤングアダルト

「正しい大阪人の作り方」わかぎゑふ   

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自分のご褒美に、5月末、大阪へ一人旅しました。
ずーっと行ってみたかった
宝塚ガーデンフィールズとひらかたパークへ
やっと訪れることができました!
宝塚ガーデンフィールズは
ポール・スミザーというガーデナーが手がけた
ナチュラルガーデンで6月に訪れてみたかったのです。
ひらかたパークはローズガーデンが有名で
いろいろな種類の薔薇の香りを確認できて良かったです。
 
それで、移動の途中で読める軽い物を…と
駅で購入したのがこれです。

新刊のコーナー比平積みされており、
大阪の旅気分が満喫できそうなコレに手が伸びました。
旅行先で選んでしまう本って、
そこでしか惹かれないだろうというものに出会えます。

この本はエッセイですが、
電車の中でクククッと思わずやってしまう
ちょっと困った本でした。
小倉に着く頃、ちょうど読み終わり、
わたしにとって旅情に満ちた一冊となりました。
 
内容は、大阪人ってなんでこうなんやろ?
みたいなエッセイなのですが、
元大阪人として、ちょっとわかるものもあり、
大阪の人ってそうなんだー、って笑えるものもありでした。

阪神デパートで名物のイカ焼きを買って
帰りの新幹線の中で
匂いをプンプンさせながら食べて
旅は終わりました。
すごーくリフレッシュできました。
本当に行って良かった。
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# by momo-iruka | 2010-08-12 00:18 | エッセイ

「マイナークラブハウスへようこそ!」木地雅映子   

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この作品はジャイブという出版社からでている
ピュアフル文庫の作品です。

「ピュアフル文庫」の位置づけがよく分からないのですが
若い人向け(十代向け)のレーベルのようなのです。
なんか心惹かれる作品が多いような気がしています。
幻の絶版ファンタジーの「光車よ、まわれ!」を
近頃発行したことで興味を持ちました。
ヤングアダルトのアンソロジーも出しているのですが
金原瑞人が編集しており
執筆陣もあさのあつこや角田光代、梨屋アリエなどの
最近の人気作家から、
有島武郎や寺山修二のようなスタンダードの作家までおり、
これがなかなか良い作品ばかりで、
このレーベル自体に信頼感を持っています。

この「マイナークラブハウスへようこそ!」は
表紙がマンガなのですが
(そして近頃はそういうものは手に取らないのですが)
レーベルへの好印象もあり、
また続編のタイトルにも惹かれるものがあり、
また図書館にあったので試しにという気持ちもあり、
読んでしまいました。

内容もマンガちっくではあるのですが、
それはテンポの良さとして感じる程度で、
これはなかなか気に入りました。

まず、もしわたしが作家になったら、
(いやなるつもりがあるわけではなく)
こういう作品を書いてみたいと思うような
個性溢れる人たちがでてくる学園ものです。

そして個性溢れる人たちのキャラクターが
しっかりしているのです。
自分の考え方をしっかり持っており、
というか自分の悩みをしっかり持っており、
自分らしく、かつ自分の周囲の人をみつめながら
真摯に生きようとしているところがすごく好き。
 
そしてなにより
このマイナークラブハウスの居心地良さの微妙さ。
自分も他人も個性を大切にしながら
人とのつながりを拒否しない場所。
しかもアンティークな雰囲気で庭もあって最高。
 
マイナークラブハウスの住人になれるほどの
個性はもちあわせてはいないけれど
この空間にいたいなーと思えます。
 
すぐにではないでしょうが
きっとこの続編を読むに違いありません。
 
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# by momo-iruka | 2009-08-15 08:08 | ヤングアダルト

「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道   

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こんな本があったら、
という本がこんなにも早く実現しました。

上橋菜穂子の作品は
食べ物を食べるシーンがすごく美味しそうで
それもまた作品世界に引き込んでくれる要因にもなっているのでしょうが
物語と同じものを食べたい!とずっと思っていました。
わたしも講演会で食べるシーンについて質問したことがあるのですが
よく聞かれるそうです。

というわけで
この本はなんと!
上橋作品に登場する食べ物のレシピ本なのです!
ただファンタジーなので食べ物や食材自体が架空のものであることが多く
「こういう感じ」のものです、というレシピなのですが、
それでも大満足です。

わたしがずっと食べてみたいと思っていたもののレシピも
ちゃーんとあって
またレシピごとに上橋先生のコメントもあって
上橋ファンにはたまらない一冊です。

あまりの嬉しさにファンサイトに書き込みをしたら
上橋先生が(ひとことだけれど)
わたしの書き込みにも触れてくださって
またまた嬉しかったです。

絵本から生まれたレシピの本を近頃よく見ますが
この本は中でも最強だと思います。
中学生か高校生の頃、
「赤毛のアンのお料理ブック」なるものを購入し、
喜んでいくつか作ってみたのですが、
「ハートキャンディ」がぐちゃぐちゃにできて悲しかったことを
思い出します。
それと、「ぐりとぐら」のカステラレシピは、
どの本を見てみても、
オーブンで作っているので、
「なんか違う…」と思ってしまいます。
「バルサの食卓」は材料も作り方も
わりにシンプルなので失敗はないかなと期待してます。
 
今日のブックレビューに上橋先生が登場します。
「獣の奏者」の新刊についてお話をされるようで、
とっても期待しています。
物語もとても好きだけれど
上橋先生のさっぱりしているのに暖かい人柄に触れると
なんだかとても元気になれるのです。
 
「獣の奏者」はまだ読む元気がないのですが…。
 
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# by momo-iruka | 2009-08-15 08:06 | ファンタジー

「レインツリーの国」有川浩   

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疲れる本を読みたくなくて、
すーっと読めて、心が温かくなるような、上質でいて軽いものが読みたい、
と思って選びました。
 
有川浩と言えば「ごく甘」の
ラブストーリーで有名なので
「ラブコメ」のようなものをイメージしていたのですが
人物像もしっかりしているし
書きたいこともしっかり伝わってくるし
文章も落ち着いていて心地よいし、
全体に「しっかり」しているイメージです。
「しっかり」しているというか
上手いのだろうなぁ、なんて、
上から目線で考えながら読みました。
 
そもそも有川浩は
わたしの読書体験の大事な部分を担っている
新井素子がブックレビューで推薦していたので
ずっと読みたい(読まなければならない)と
思っていた作家です。
この作品はわりに短く、
すすすーっと読めてしまうので、
今度は図書館戦争シリーズに挑戦しようと思っています!

あ、「すすすーっ」などと書いてしまうと、
軽い話みたいですが、そうではありません。
メールのやりとりから始まった、
聴覚に障害をもった女のひとと、
関西弁の男のひとの物語で、
重いテーマも扱っていますが、
それが全然逃げ出したくなるような嫌な重さではなく
感情とか感覚で考えることのできる細やかさで描かれていて
最後まで興味深く読めました。
 
主人公の伸行は
ちょっと押しが強くて
自分の考えをしっかり持っていて
こういう人がいればいいなーと思える人です。
でも素敵だけれど、近くにいても惚れないかも知れませんが。
 
とにかく久しぶりに本が読めて
幸せな時間でした。
 
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# by momo-iruka | 2009-08-15 08:05 | 恋愛

「獣の奏者」上橋菜穂子   

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やっと、読み終えました。
「獣の奏者」。
 
久しぶりの休日です。
昼から家人もでかけて
家でひとり、フリーの時間を過ごしました。
今日は1日だし、
映画を見に行こうかとも思ったのですが、
体も疲れ切っていて、
家にいて一番幸せな時間を過ごすことにしました。
 
お茶とおやつをわきに置いて、
楽チンなルームウエアを着て、
椅子をリクライニングさせて、
本を抱え込むと、
午後があっというまでした。
 
上橋菜穂子の本は
いつでもどこでも
その世界に連れ去られます。
風と匂いを感じる世界です。
 
体中が凝っていても
エリンと一緒に王獣の背に乗っているあいだは
忘れていられました。
 
この2冊の物語は
十分分厚いのだけれど
おそらくこれでは短すぎるのだろう、
と思います。
アマゾンのカスタマーレビューにも
同じ意見が多くてちょっとほっとしました。
ラストがあまりにも突然で
「え?!」という感じなので…。
 
ラストには賛否両論あるのに
それでもこの物語の魅力は
十分あります。

(ネタバレになるかも知れませんが)
主人公が王獣と
だんだん話ができるようになるくだりは
とてもときめきました。

動物と言葉が交わせたら素敵だと
思ったこと、ありませんか。
動物と話ができる物語を読むたび
ちょっとがんばれば
自分にもできそうな気がした
あの感じを久しぶりに感じました。
 
頭がぼーっとして
うまくまとまりませんが。
寒くなってきました。
読書にはうってつけの季節かも知れませんが
夢中になりすぎて
体を冷やしてしまいませんように!
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# by momo-iruka | 2008-11-02 00:32 | ファンタジー

「バッテリー」あさのあつこ   

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こんばんは。
今更ですが、「バッテリー」読みました。
 
中頃まで読んで、
 しまった!
と思いました。
 どうして今まで読まずに来たのだろう…と。
 
もちろん、
この作品の存在は10年くらい前から知っていました。
けれど、
野球というスポーツに全く興味が持てなかったのです。
(今もほとんど興味がない…)
それに、
普段は本とは縁のない野球少年たちが
結構読んでいるということも知っていて。
普段本を読まない人のお薦め本って
はずすことも多いので
今まで敬遠していました。
 
角川の60thアニバーサリーのブックカバー、
かわいいなぁ、欲しいなぁ、
と思ったことがきっかけで、
購入に踏み切りました。
(動機が情けない…)
 
今日は朝から仕事の関係で
太宰府天満宮へ出かけていたのですが
行き帰りのバス&電車の中で
とまらなくなってしまいました。
 
行ったこともない新田という田舎町の
風の匂いが感じられ
春先の冷たく透明な空気が
肺に感じられ…。
こういうふうに物語の中に
連れて行かれる経験をしたいから
本を読んでいるのだと、
素晴らしい本に出逢うたびに
思う。

主人公の母親の作った
焼き飯がすごく美味しそうで
今夜は中華料理屋で
迷わずチャーハンを頼んだ。
 
本の中に出てくる食べ物が
ものすごく食べたくなるというのは
その本に全身全霊で
シンクロしているという証拠。
 
この本に出てくる男の子たちは
「少年」なんだけれど、
とびきりかっこいい。
 
主人公の巧は小学校を卒業して
母親の実家へ引っ越してきた12歳。
もうすぐ中学生という春休みを過ごしている。
この巧がかっこいい。
12歳にしてクールでハードボイルド。
そして自分の球を完全にコントロールする天才ピッチャー。
そしてキャッチャーの豪。
体が大きくて、ガキ大将。
でも、すごく人の気持ちを考えられる、
暖かくて厳しくて包容力がある人間。
この二人の関係を軸に話は展開されるけれど
二人の関係もすごく素敵なんです。
この巻では中学校に上がる前に終わってしまう、
まさに序章。
これからますます魅力的になっていくんだろうな、
と思うとわくわくします。
6巻まででているようです。
映画にもなりますね(もうあったのか?)。
 
でもわたしはこのバッテリー二人よりも
巧の弟、青波(せいは)が好きです。
読書家で頭が良く
感受性も強く
でも意外に勝ち気で
人なつっこくて
人の気持ちをちゃんと読めて
最高のタイミングで
関わってくる。
とても好きなタイプです。
やっぱり弟…。

妹の子どもが少年野球をしています。
キャッチャーらしい。
「バッテリー」を買ったという話をしたら、
「ああ、ドラマで見た。
 引っ越してきてキャッチャーと出会う話。
 あ、でも、続き言わん方がいいやろ?」
と言われました。
 あれ?いつの間に
 そんな大人みたいな話し方するようになったんだろう
とちょっとドキッとしてしまいました。
 
トリップできる物語とであえて
しかもまだ続きもあって
素晴らしい一日でした。

追伸:
 もし、太宰府天満宮に行く機会があったら、
 お参りした後、天満宮のバックヤード的なところから登る、
 「天開稲荷」にお参りしてみてください。
 とても雰囲気がいいです。幻想的で!
 そこを下っていくと吉井勇も通ったという
 「お石茶屋」という有名なお店があり、
 そこで一息つくのもとてもオススメです。
 
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# by momo-iruka | 2008-10-05 23:13 | ヤングアダルト

好かれようとしない   

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ブックレビューで紹介されていた
「田村はまだか」の作者です。
 
「田村はまだか」なんとなく気になって
本屋で手に取るところまで行き
同じ作者の「夫婦一年生」という本も
面白そうだと思い、
図書館に行ったらどちらもなく、
とりあえず借りてみたのでした。
 
読まずに返すという予感があったのですが
パラパラめくると
「両思いってことば、なつかしいね」
というセリフがあって
なんかこれ読めそうという気になりました。
 
それにしても今日返しに行くので
ちょっと斜め読みのところもあったのだけれど
この人結構気に入りました。
 
主人公に対して
「この人自分に似てる」
って感じるときその作家は
自分にとって良い作家なのだと思います。
 
上手く表現できない
感覚のもわもわを表現されたとき
「そうそう!」って思いませんか。
 
主人公は一般的なかわいいとかきれいとかに
違和感を感じる人で
それでいてそんな自分もちょっと嫌で…
そういう自分の嫌なところを
うまく言い当てられた感じ。

すごく好きというのではないけれど
「田村はまだか」「夫婦一年生」
どちらも読んでみたいと思います。

いろんな年頃のいろんな女性がでてきて
最終的にはどの人も肯定していて
そういうぬるさが気持ちのいい本でした。
 
片思いをしている人の物語って
随分久しぶりに読んだ気がします。
それも新鮮でした。
 
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# by momo-iruka | 2008-08-31 14:56 | 恋愛