人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「NHKスペシャル 失われた文明 アンデスミイラ」   

「なぜ、ミイラ…。」
と思われた方が多いでしょう。

「テレビは観たけど、本まで読む?」
という方もいるでしょう。
 
わたしがそう思っていました。
これはわたしが選んだ本ではなく、
職場の本に詳しい方に
勧められるままになんとなく借りたのでした。
 
執筆者の中に恩田陸がいたこともあり、
テレビ番組が面白かったこともあり、
たまには自分が選ばない本を読みたいと
思ったこともあり、
まぁ、そんな諸々の理由と軽い気持ちで
読み始めました。
 
DNAがなんとかとか
ミトコンドリアがどうしたとか難しい部分もあり
正直かなり読み飛ばしましたが、
意外に面白かったです。
 
特に、恩田陸の執筆部分は良かったです。
作家の文章の方が読みやすかった、
ということもあるのでしょうが、
読みながらドキドキさえしました。
 
わたしが一番ドキドキしたのは
オルメカ文明とやらのくだりでした。
なんと紀元前1200~400年ごろの
文明であるにもかかわらず、
アジア(中国?)系、アラブ系、アフリカ系など
色々な人種の人が描かれていること、
非常に洗練され、技術も高いこと、
そして何より、
石碑に刻まれた文字がなんと、
中国古代の殷や夏の文字に共通点があるということ。
なんだかすごくドキドキしませんか?
 
恩田陸は最後に、
世界の価値観がひとつのベクトルだけに
向かって走っていることへの警鐘をならしています。
 
結論をここにこうして書いちゃうことは
とても簡単だけれど、
「ミイラ」という
一見、気味の悪い文化を知ることで、
ぜんぜん違うベクトルも
かつて豊かに存在していたことを
具体的なイメージを伴って
わかりかけた気がします。
 
写真が多く、パラパラと読めるものなので、
恩田陸の章だけでも、
本屋さんで眺めてみてください。
 
普段だったら絶対に読まない本だけれど、
読んで良かったと思える本でした。
 
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%A4%E3%83%A9-NHK%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%96%87%E6%98%8E-%E6%81%A9%E7%94%B0-%E9%99%B8/dp/4140812362/ref=sr_1_1/250-2618028-0863456?ie=UTF8&s=books&qid=1186415451&sr=1-1

by momo-iruka | 2007-08-07 00:56 | ノンフィクション

<< 「天と地の守り人」上橋菜穂子 「少女七竈と七人の可愛そうな大... >>